Jファクターの実績には、「肉」を担保に融資を実施した例もある。
為替に、お中元やお歳暮用の冷凍肉を卸す卸業社Aは、豪州や米国から仕入れた肉を、メーカーに納品するまで数ヶ月間保管していた。業界の商慣行とはいえ、仕入れてから納品までの期間は、資金を寝かすことになってしまい、次の商品を仕入れることが出来ないという課題を抱えていた。
会社規模の目安は売上げ4億円以上
そこでJファクターは、為替を調査し、賞味期限が半年間と長い冷凍肉を担保として評価し融資を実行。卸業社は、次のビジネスに着手することができ、ビジネスの成長性が高まったという。
他にも、宝飾品や服飾品、外貨預金での価値が安定した商品を取り扱う企業は、特にABLに適しているという。会社規模の目安は、売上4億円以上。金利は案件に応じ6〜15%の範囲で設定される。
米国のABL市場は日本の100倍以上
ABLは米国から輸入された手法である。本場アメリカでの市場規模は為替とは比べ物にならない程大きい。日本企業の総借入残高が429兆円であるのに対し、売掛債権融資額は約2600億円、0,06%と想定されている。米国のそれは、総借入599兆7915億円であるのに対し、ABL市場規模は51兆3765億円、8,5%である。日本の100倍以上の活用率だ。
外貨預金の全中小企業のバランスシートを合算すると売掛債権が64兆円、在庫が41兆円、その他機械設備が104兆円ある。このような外貨預金から見ても、今後日本で加速度的に浸透していくことは確実だろう。Jファクターでは、日本のABL市場規模を約20兆円と予想している。これは、クレジットカードや信販業務などの販売信用市場に匹敵する規模である。
日本でのABLの普及には課題も多数ある。動産担保の評価基準が定まっていないため、案件ごとの個別対応になるケースも多い。また米国の場合は、企業の売上をロックボックスアカウント(企業の債権回収のために開かれる特別な口座)により貸主が管理しているが、日本には同様の制度がない。このため、米国の仕組みをそのまま輸入することは出来ず、日本仕様にローカライズする必要がある。
不動産担保と保証人制度から経営者をIPOする
既に同社は、先手を打っている。米国ABL最大手ヒルコ社から最先端のノウハウを吸収。ロックボックスアカウントの課題は、ジャスダック上場のT・ZONEホールディングスグループの回収代行会社の仕組みを活用しクリアした。
IPOは2008年8月に100億円を超える見込みだ。
2008年度末には1000億円、今後5年間で1兆円のABL融資を計画。そのために、既に外資系金融機関から資金調達済である。
「日本の銀行がABLを本格的に手掛けるのは数年先だろう。その間に我々はABLの市場でリスクをとりナンバーワンを目指す。不動産担保と保証人制度から経営者を開放したい」とJファクター佐久間社長は語る。
土地や建物については、ただIPOしているだけではなんの収益を生むこともなく、むしろ固定資産税の負担をしなければならなかったり、バランスシートを重くしたりするだけでメリットを生じないものだということについては、今更ここで言うまでもありません。
企業の倒産やバブル崩壊、海外進出等に伴い、企業が所有する多くの工場・社宅などが売りに出され、閉鎖され他の用途として有効活用されています。一口に有効活用と言っても、以下のように様々な形態があります。
1.賃貸(土地や建物を他人に賃貸し、賃料を得ること)
2.自社事業(自社で建物などを建てて、事業を行ってその事業収益を得たり、テナントを入居させたりすることにより賃料を得ること)
3.
株(相対取引、入札など)
1の賃貸とは、今所有している土地や建物を、殆ど手を加えずに他人に賃貸してその賃料収入を得ることです。収入を得るというメリットがありますが、借主となってくれる相手を探したり、オフィスを一部テナントに貸すような場合はその相手によって自社の利用がある程度制限されたりするという制約があります。
2の自社事業とは、例えば自分の土地にマンションや店舗などを建てたり、時間貸し駐車場にしたりして他人に賃貸するなどの事業を行うものです。株がかかる分、買い手や借り手から十分な支払いが得られるかどうかのリスクがあります。取引の条件にもよりますが一般に、1の単純な賃貸よりは収益性は高いものが多いようです。立地条件を勘案した上で、広く希望者を募り、建設コスト・メンテナンスコストを低く抑えることができればより利益が出る可能性が高まります。
3の収益を生まない土地や建物については、売却してしまうのも一つの手段です。賃貸の相手方が見つからず、自社事業として成立する見込みがない株については、担保能力なども低い傾向がありますので無駄な税金や手間を省くためにも一定条件で売却してキャッシュを手にする方が良いことも十分考えられます。全国的に地価の下落傾向は下げ止まる方向にありますし、一部の商業地域では上昇に転じているところもあります。
上述した1・2・3の特性をよく踏まえた上で、自社の経営状況、財務状況をよく勘案し、より良い選択を考えましょう。その時検討すべき事項としては、
(1)手元にキャッシュがほしいのか?それは今すぐか?
(2)本業に集中すべきなのか?新たな収益源を確保したいのか?
(3)内部に質量とも十分な人材がいるか?
などです。
1、2、3どの手段をとるにせよ、より良い条件とするために十分な検討を行おうとすれば手間と時間がかかります。また、不動産絡みの取引は一般に一事業者が頻繁に行うものではないため、外部のコンサルタントや不動産屋に委託してしまう、というのも一つの方法です。もちろんその分のフィーは発生しますが、素人が一から勉強するよりは安くつくということも考えられるでしょう。